1,3-ブチレングリコール(BG)

【美容成分】1,3-ブチレングリコール(BG)とは?成分の効果や副作用を解説

「保湿効果」「バリア機能改善効果」「抗菌効果」などの目的で配合される美容成分「1,3-ブチレングリコール(BG)」の効果や安全性について解説します。

1,3-ブチレングリコール(BG)とは

BGは、4種類あるブチレングリコールの異性体の1つです。ブチレングリコールは2つのヒドロキシル基を持つn-ブタンで、「1,3」以外のブチレングリコール異性体には「1,2」と「1,4」と「2,3」があります。

BGは、アセトアルデヒドに含まれるアルドール縮合物という物質に水素を添加してつくられる、多価アルコールです。
多価アルコールはヒドロキシル基を2個以上持つことから「多価」と呼ばれます。ヒドロキシル基は水分を吸収する効果と、吸収した水分を維持する効果を持ちます。BGはヒドロキシル基を2個持つので、二価アルコールと呼ばれます。

BGが化粧品などによく使われているのは、高い保湿効果があるからです。
「高い保湿効果」と聞くとグリセリンを思い浮かべる人もいると思いますが、BGはグリセリンより軽いテクスチャー(材質感覚)が得られます。
化粧品や肌ケア製品のメーカーがBGを好んで使うのは、使用感が軽くなるからです。

1,3-ブチレングリコール(BG)の効果

BGには次のような効果が期待できます。

  • 皮膚の水分量を増やす(保湿効果)
  • 皮膚を軟らかくする
  • 皮膚のバリア機能を高める
  • 抗菌、防腐
  • 抽出溶媒として使われる

どれも重要な内容なので、1つずつ解説します。

皮膚の水分量を増やす(保湿効果)

多価アルコールにはBG以外にも、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコールなどがあります。
この5つの物質の吸湿性(水分を吸収する効果)を比較すると、グリセリンが最も高く、次いでプロピレングリコール、ソルビトール、BG、ジプロピレングリコールの順になります。

BGの吸湿性はグリセリンなどと比べると高くはありませんが、中程度の保湿効果は得られます。そしてBGのその他の効果を考慮すると、保湿剤にBGを使うことは合理的であるといえます。

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皮膚を軟らかくする

BGを含む多価アルコールには皮膚を軟らかくする作用があります。
人の体の表面は皮膚に覆われていて、皮膚の外側(外界に触れる部分)の0.2ミリの層を表皮といいます。表皮はさらに、外側から角層、顆粒層、有棘層、基底層にわかれます。

角層は、角層細胞と細胞間脂質で構成されています。多価アルコールは、この角層細胞や細胞間脂質に作用して、皮膚を軟らかくします。
皮膚が柔らかくなることで、表皮上の水分を表皮内に引き込みやすくなるので吸湿性が高まります。

皮膚のバリア機能を高める

表皮の角層は、体内を外界から遮断する重要なバリア機能を持っています。角層が最初に物理的な衝撃を受けることで、体内を守っているわけです。
また体内の水分は保たれなければならないので、角層で体に「ふた」をすることも体を守ることになり、やはりバリア機能に数えられます。

角層が不健康だと「ふた」の役割を果たせなくなり、体は乾燥します。つまり角層が健康かどうかは、皮膚の表面の乾燥状態でわかります。乾燥状態を示す数値が、経表皮水分蒸散量(TEWL)です。

TEWLは、体内の水分が表皮を経てどれくらい蒸散しているかを計測して数値化したものです。TEWLの数値が低いほど角層がしっかりバリアしていることになります。
アトピー性皮膚炎や湿疹や皮膚の炎症を起こしていると、TEWLが高くなることがわかっています。肌のトラブルを抱えると体内の水分の蒸散が多くなり、体内の水分の蒸散が多くなると、肌のトラブルを起こしやすくなります。

BGにはTEWLを低くする効果があります。ただTEWLの抑制効果は、グリセリンのほうが高いことがわかっています。

抗菌、防腐

BGの抗菌力は、メリルパラベンやカプリリルグリコールといった抗菌剤で多用される成分よりは弱いのですが、BGにも黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ、コウジカビの5つの菌に対抗できる力があることがわかっています。
BGの抗菌力は「嬉しい福残物」といえます。保湿効果目的で化粧品にBGを配合して、その結果、抗菌作用も期待できるわけです。
なおBGには防腐効果があることもわかっています。BGを配合すれば、パラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤の配合量を減らすことができます。

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抽出溶媒として使われる

BGは便利な物質で、保湿剤以外にも使われています。
溶媒とは物質を溶かす成分のことです。植物には多様な物質が含まれ、そのうちのいくつかは健康作用が認められています。しかし、健康物質を摂取するために植物を丸々食べるのは効率がよくありません。植物から健康物質だけ取り出すことができれば、効率よく摂取できます。そこで溶剤を使って植物を溶かし、健康物質を取り出すわけです。
BGは植物エキスを取り出すときの溶剤として使われます。

1,3-ブチレングリコール(BG)の副作用

BGは長年の実績があり、刺激性や毒性、アレルギー反応など重大な問題が起こった報告はなく、副作用は「気にしなくてよい」レベルであると言えます。
安全性が高く、肌質に関係なく使える万能な成分のため、多くの基礎化粧品やメイクアップアイテムに使用されており、グリセリンとともにBGは低刺激の保湿剤としておなじみの成分であると言えます。

ただし、100%安全ということはなく、化粧品はどうしても合う合わないがあるので、他の成分もチェックして自分に合うものを選びましょう。

1,3-ブチレングリコール(BG)が含まれている化粧品

BGは、保湿クリーム・ボディローション・美容液・フェイスマスク・オールインワンジェル・洗顔料などのスキンケアアイテム、口紅・ファンデーションなどのメイクアップアイテム、日焼け止めなどのUVケアアイテム、シャンプー・コンディショナーなどのヘアケアアイテムなど、多くの化粧品やケア商品に含まれております。
その中からいくつかピックアップして紹介します。

保湿クリーム

年齢肌に悩まされている人には、BG入りの保湿クリームがおすすめです。肌に不足しがちな脂分を補い、しなやかさやハリの回復が期待できます。
年齢肌が気になる方は、浸透力が高い保湿クリームを選ぶとよいでしょう。角層に有効成分が染みていけば、BGが潤いを保ってくれます。

ボディローション

乾燥肌や肌のかさつきに悩んでいる人は、BGが入ったボディローションを使ってみてはいかがでしょうか。肌の乾燥には、化学製品の油分で「ふた」をするのではなく、皮膚自体が持つ脂分を保つほうが有効だからです。

美白美容液

毎日しっかり肌の手入れをしているのに、以前のような美白が取り戻せない人は、洗いすぎていることがあります。肌についた雑菌は毎日洗い流したほうがよいのですが、洗いすぎると肌の健康を維持している常在菌まで消し去ってしまいます。
美白美容液には主にビタミンCやビタミンC誘導体が配合されていますが、BGを含む製品もあり、BGが入った美白美容液を使うと、潤い作用で肌と常在菌を守ることができます。
保湿効果は高すぎて困ることはないので、BG入り美白美容液を使えば、潤いのある美白を取り戻せるかもしれません。

1,3-ブチレングリコール(BG)が含まれている化粧品の選び方

BGは、グリセリンよりもさっぱりしていて使用感がよいことから、化粧品のテクスチャーを調整するためにも使われます。べたつきが少なく、さらさらした感覚のさっぱりとした化粧水を求めている方は、BGが配合されている化粧水がおすすめです。
また、保湿クリームを選ぶ際は、BGよりグリセリンのほうが保湿力が勝っているため、BGの他にグリセリンなどの保湿効果の高い成分も合わせて配合されているものを選ぶとより高い保湿効果を得られます。BGは肌を柔らかくする効果が期待できるので、肌のごわつきに悩んでいる人も、BG入りの製品を試す価値はあると思われます。

まとめ

BGは、数ある化粧品成分のなかでも、特に都合のよい物質といえます。肌に嬉しい保湿作用を持ちながら、無臭無色の癖がない性質は、化粧品メーカーにもユーザーにもありがたい存在です。副作用が「気にしないでよい」レベルである点も安心できます。
保湿以外にもプラス効果があることから、BGが入っているという理由で化粧品を選んでもよいでしょう。

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