ゼニカルとは?油がドバドバ出る!?ゼニカルのダイエット効果と注意点
「食事の量を減らさず、運動しないで簡単に、ラクに痩せたい。」
普段からそんな風に思っている人の中には、“ゼニカル”を用いたダイエット方法に行き着く人がいるかもしれません。SNSなどで話題にもなっているため、興味を持っている人も少なくないでしょう。
今回のテーマはゼニカルを用いたダイエット方法について。なぜ効果があるのかといったダイエットのメカニズムに加え、利用する際の注意点などを踏まえ、ご紹介していきます。
ゼニカルとは
日本ではあまり広く知られていませんがゼニカルとは、有効成分オルリスタットを含む“肥満治療薬”のひとつ。開発したのはスイス発・設立100年以上の歴史を持つ世界的な製薬会社『エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社』です。
ゼニカルは世界的に有名な経口内服型の脂肪吸収抑制剤です。肥満によってもたらされる高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームといった生活習慣病を予防するために開発されました。
病院で扱われている肥満治療薬の中でも、最も効果的だといわれるダイエット用の飲み薬で、重度の肥満症を改善するために用いられています。
生活習慣病などの病気でもない人に対しても同様の効果で痩せることができるため、最近ではダイエット目的で使う人が増えているようです。
ちなみにXENDOSが行った減量療法に関する最大規模かつ最長期間の研究で、2型糖尿病において37%のリスクを減少、ブドウ糖耐性機能不全患者では52%のリスク減少、という結果が出ています。
ゼニカルが効果的な理由
食べ物は人体に取り込まれると消化酵素によって消化され、吸収されます。吸収される栄養素には大きく分けて炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5種類があり、そのうち1gあたりのカロリーが大きいのが脂質です。
ゼニカルはそのような脂質を消化分解する酵素であるリパーゼを抑制し、高カロリーな脂質が身体に吸収され、太ってしまうことを防いでくれます。脂質を抑える効果にのみ、その効果を発揮するため、普段から脂質の少ない食生活を送っている人にはあまり効果がありません。
逆に普段から脂質の高い食事を好む人や、脂っこいものを食べるのがやめられないという人にはうってつけといえる薬です。食事量を変えなくても脂肪分の吸収を阻害するため、特に食事制限をしなくても減量効果が認められます。これがラクをして痩せられる治療薬と言われる由縁です。
臨床結果
MRCTの中国での治験によると24週の結果、プラセボでの減量が3.7%に対し、オルリスタット120mg投与では7.5%の効果が現れ、両者を比較して減量における優位性が示されています。
他のダイエット薬と比較した場合の特徴
ゼニカル以外にもダイエット薬は他にもあります。他のダイエット薬の中には脳などに働きかけて食欲を抑制したりするものがあります。
このタイプは精神障害が起きてしまうため危険を伴います。一方、ゼニカルは消化酵素の働きを抑制するもの。FDA認可をされて一般利用されている医薬品で、アプローチが違うため、病院でも処方される機会が多いようです。
ゼニカルを飲むとどうなるか
ゼニカルの有効成分であるオルスタリットが、リパーゼと呼ばれる体内で脂肪を分解する酵素の働きを弱めることで、脂肪の吸収を抑えます。服用することによって摂取した脂分の約30%〜40%を吸収せずに排出することが可能です。
具体的にはどうなるのかというと、服用して1〜2日後、食事をして本来、吸収されるはずだった油分が便に混じって排出されます。水栓トイレに排出した便は油が混じった状態になり、身体に吸収されなかった油が浮き出ます。また目に見えて油分を含んだ黒い便となって排出されることもあります。
ゼニカルがおすすめの人
ゼニカルはダイエットをするためのお薬。
- 脂っこい食べ物が好き
- 食べるのをやめられない人
- 運動するのが嫌
- 外食が多い人
- ダイエットを続けるのが苦手
このような人に向いています。普段から「ダイエットをしたい」と、食事療法を継続的に行なっていたり、単に「身体を引き締めたい!」という人には向いていません。普段から肥満気味でたくさん食べ過ぎてしまうので、「食べたものの脂肪をなかったものにしたい!」という人に向いている薬だと言えます。
ゼニカルの服用方法
ゼニカルは食後1時間以内に1錠飲むことで、脂肪分を吸収しない効果を発揮します。1回の食事で1錠、1日3回まで服用することが可能です。
脂肪分を吸収しないことでダイエット効果を発揮する薬なので、豆腐や野菜サラダなどのヘルシーな食事の後に飲んでもあまり効果はありません。
脂肪分のある食べ物がやめられないという人が服用することで効果を発揮します。油っこい食事をしていない場合は、服用をしなくても良いでしょう。
ゼニカルを手にいれるには
ゼニカルは医師の管理の下で処方される医薬品です。医師の処方箋がないと、国内においては購入する事が禁止されています。
ゼニカルは肥満外来(ダイエット外来)のある病院で処方してもらうことができます。
また、インターネットなどを利用してゼニカルの個人輸入など、通信販売を利用すれば購入することもできます。
しかし身体に関わる問題のため、必ず信頼のおける医療機関で相談のうえ、医師の指示のもと服用することが望ましいです。
過去には個人輸入でダイエット薬を購入し、服用して死亡したというケースも…。またニセモノを売っている個人輸入代行サイトも数多くあります。
本物には成分表や保証書の紙が合わせて2枚入っていますので、一つの目安とすると良いでしょう。
薬は命に関わることもあるので購入は慎重に。このようにインターネットで購入することはかなりのリスクを伴うことを心得ておきましょう。
ゼニカルを利用するメリット
では実際にゼニカルを利用することでダイエットに対するメリットどんなものがあるのでしょうか。以下のようにまとめました。
効果を実感しやすい
ゼニカルを服用することによって、本来吸収されるはずだった油が、便と一緒に排出されるのが目に見えるため、視覚的にもインパクトがあります。しかも効果が現れるのは1〜2日後と成果が出やすいため、続けるモチベーションにもつながります。
飲むだけなので継続しやすい
ゼニカルを利用したダイエットは単に薬を飲むだけで我慢することは何もありません。服用するだけで効果が得られるため、他のダイエットと違って挫折しにくく、簡単に継続し続けることができます。
停滞期が起こりづらい
通常、運動したり食事制限をしたりするダイエットは続けるのにも精神的にも負担が大きくなり、効果があったとしてもやがて停滞期を迎えます。
継続的にダイエットを続けていると、生物がもつホメオスタシスと言う効果によって、体重の減少を抑えようと自然と停滞期が発生するためです。
一方、ゼニカルは高カロリーの脂肪を直接排出するため、停滞期にも効果的な減量効果を期待することができます。
ゼニカルの副作用・注意点は
身体から便と一緒に脂肪を排出する効果があるゼニカル。その強力な作用がある一方で、副作用などがないか、気になる人も多いと思います。
ここからはゼニカルの副作用や服用する場合の注意点、手に入れるために必要な費用などについて触れていきます。
油分が漏れ出す“油漏れ”を引き起こす
ゼニカルを服用して1〜2日後には便に油が混じるようになります。そのため便全てを拭き取るのにも時間がかかったりと、不快感を感じることも少なくありません。
また“油漏れ”といって、意識しなくても油が気づいたら漏れていた…という失禁をする頻度が高くなります。おならやくしゃみなどトイレ以外で力む動作をする時は、特に注意が必要です。
このように自分の意図しないタイミングで油漏れが起きてしまうため、生理用ナプキンなどを使って下着が汚れないよう対策を行う必要があります。
トイレが汚れる
ゼニカルを服用することで油の吸収が阻害された分、便と一緒に多くの油が排出されます。通常通りにトイレを使ってしまうとトイレを汚してしまい、お掃除が大変になるということもあります。用を足す時は必ずトイレにトイレットペーパーを敷いておくことで汚れを防ぐことをおすすめします。
ビタミン不足に陥りやすい
ビタミンは人体の機能を正常に保つために必要な有機化合物です。体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要があります。
ビタミンはその性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。
一方、脂溶性ビタミンは文字通り水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。ここでゼニカルは脂質の吸収を抑制してしまうため、油に溶けて一緒に吸収される脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)が不足しがちになります。
ビタミン不足になると肌荒れ、口内炎、ドライアイや目の疲れなどが顕著になります。ゼニカルを服用する場合は食事だけでビタミンを摂るのが難しくなるため、ビタミンがたっぷり含まれたマルチビタミンなどのサプリメントを同様に摂取することをおすすめします。
この際、サプリメントを摂るタイミングに注意。せっかく摂取したビタミンが排出されないよう、ゼニカルを飲んでから2時間以上空けるようにして飲むよう、気をつけなければなりません。
ガスが溜まりやすくなる
脂質が吸収されず、腸を素通りしてしまうことによって、お腹にガスが溜まりやすくなります。
そのためおならが出やすくなったり、胃腸が張ったり、便回数が増えるなど、脂肪排出量増加に伴った消化器系の症状の副作用が見られることもあります。
特におならをしたときに、お尻から油漏れが起こり、パンツを汚してしまう恐れもあります。
ただしこれらの症状は一時的なもの。服用していくうちに次第に収まっていくことが多いようです。
ゼニカルを使用できない人について
以下の方はゼニカルを服用することはできません。
- 慢性的に食物吸収障害がある人(慢性吸収不良)
- 胆嚢(たんのう)に障害がある人
- 妊娠中または授乳中の人
- ゼニカルの添加物に対してアレルギー反応を起こす人
個人の判断で使用をしてしまうと大変危険です。このようなケースがあるため、初めてゼニカルを利用する場合は、病院を受診して医師の処方で飲むようにしましょう。
ゼニカルのジェネリック薬などについて
ゼニカルを使ってダイエットしたいけど、便失禁や肌荒れなどの副作用が気になる場合は“オベリット”や“オルリファスト”というゼニカルのジェネリック薬もあります。
ジェネリックとは後発薬のこと。オベリットにも有効成分オルリスタットが配合されていますが、配合量はゼニカルの半量で、油の排出効果がゆるやかになってしまいますが、副作用もゆるやかです。
またグラクソ・スミスクライン社から販売されているAlli(アライまたはアリ)も、ゼニカルと同一成分になります。これは海外では処方箋不要の市販薬で、オルリスタットの含有量がゼニカルより少ないのが特徴です。
ゼニカルの費用について
前述したようにゼニカルを初めて利用する際は、病院での処方で手にいれることになるでしょう。
医師の指導の下、カウンセリングによって処方されますが、希望通りの数量が処方されるわけではありません。高度の肥満で医学的に問題がある場合のみ、保険適用となります。「単に痩せたい…」という場合には保険が適用されません。
薬の価格は42カプセル入りで8,000円〜19,000円程度で病院によって差があります。一般に病院では初診料や肥満を改善するための指導料として受診料がかかるので、保険適用外の場合、少なくとも1万円以上の費用がかかるとみて良いでしょう。
また通販サイトを利用する場合、サイトによって価格は異なりますが、42箱入りで約9,000円ほどで買えるところもあるようです。
ただし、ゼニカルには禁忌や副作用があるため、自己判断で購入するにはある程度のリスクが伴います。必ず初回は病院で処方を受け、飲み方の指導を受けるようにしましょう。
まとめ
ゼニカルは肥満治療薬として処方される薬のこと。服用することで食事をした油分の約30%〜40%を吸収せずに排出することができ、目に見えて効果が期待できることがわかりました。
ただし、保険適用外で使うにはある程度高額な費用が必要であること、また便と一緒に油が排出されるため、失禁やトイレが汚れるなどの弊害があることもわかりました。
肥満外来によって処方してもらえる薬ですので、極度の肥満に悩む方にとってはこの上ない薬ですが、それ以外の方は副作用や注意点をふまえ、慎重に服用するようにしたいものです。
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