ダイエットに効果的!?イヌリンのパワーとは? デキストリンとの違いも解説!

ダイエットに効果的!?イヌリンのパワーとは? デキストリンとの違いも解説!

巷で健康に良いと噂されている“イヌリン”。
健康やダイエットなどに興味がある人は、一度は名前を聞いたことがあるかもしれません。

今回着目するのはこの“イヌリン”について。
どういった効果や作用があるのか、副作用などのほか、よく比較されがちな難消化性デキストリンとの違いについてもみていきましょう。

イヌリンとは? その成分について

まずはイヌリンというものの概要についてみていきます。
イヌリンとは何かというだけでなく、イヌリンが多く含まれている食品などについてもご紹介していきます。

イヌリンとは水溶性食物繊維の一種

イヌリンとは「水溶性食物繊維の一種」です。
同様の栄養素としてアルギン酸や難消化性デキストリンなどが挙げられます。

食物繊維は主に水溶性のものと不溶性のものとに分かれますが、特に水でも溶ける水溶性の食物繊維は、様々な健康に良い作用が期待できます。
イヌリンは日本ではあまり馴染みのない栄養素かもしれませんが、様々な根菜類に含まれています。
特にヨーロッパではチコリの根から抽出されるチコリイヌリンが古くから親しまれてきています。

イヌリンという栄養素の特徴

イヌリンといった水溶性食物繊維は、便秘解消や肥満予防、生活習慣病の予防に効果的です。
イヌリンは菊芋やチコリ、ニラや玉ねぎ、にんにくなどの植物に多く含まれています。
カロリーにすると1g約2kcal。糖や炭水化物の約2分の1、脂質の約4分の1に該当し、とても低カロリーな栄養素とも言えます。

イヌリンを多く含む食品について

イヌリンを多く含む菊芋
イヌリンは以下のようにスーパーで買える食品にも含まれています。料理に取り入れてみるのも良いでしょう。

  • アガベ …… イヌリン含有量約25〜30%
  • 菊芋 ……… イヌリン含有量約20%
  • チコリ …… イヌリン含有量約15%〜20%
  • にんにく … イヌリン含有量約9%〜16%
  • ニラ ……… イヌリン含有量約3〜10%
  • ごぼう …… イヌリン含有量約3.5〜4.0%
  • 玉ねぎ …… イヌリン含有量約2〜6%

イヌリンと難消化性デキストリンとの違いとは

水溶性の食物繊維にはイヌリンのほかにも”難消化性デキストリン”と呼ばれる栄養素があります。
この二つの違いは一体何なのでしょうか。
どちらも同じ水溶性食物繊維であるため、大きな差異はないですが、いくつかの細かい違いがあります。
ここからはその違いについてみていきましょう。

原料の違い

まず、根本的なところから挙げると、イヌリンと難消化性デキストリンでは原料が異なります。
イヌリンは菊芋やチコリなどの植物性由来のものですが、難消化性デキストリンの主な原料はトウモロコシ由来のでんぷんとなります。

製法の違い

イヌリンは菊芋などの植物に多く含まれており、市販されているサプリメントなどは天然の植物から抽出されたものがほとんど。
中には菊芋をパウダー状にしただけのものもあります(まれにですが、砂糖にイヌリン合成酵素を使用して工業的にイヌリンを製造する方法もあります)。

一方、難消化性デキストリンはトウモロコシのでんぷんを焙炒して、食物として摂取したでんぷんを消化する酵素であるアミラーゼで加水分解を行います。
その中の難消化性成分を取り出して調製した水溶性食物繊維が難消化性デキストリンです。

つまり、イヌリンは天然の成分なのに対して、難消化性デキストリンは人工的な成分というところが大きな違いといえるでしょう。

腸の中で働きや整腸作用の違い

イヌリンと難消化性デキストリンはどちらも腸内細菌のエサとなる性質があるため、腸内環境の改善に効果があります。
ここで腸内細菌のエサになる割合(資化率)には両者に差があり、資化率ではイヌリンの方が勝っています。
その数値は難消化性デキストリンの資化率が約50%なのに対し、イヌリンはなんと100%というから驚きです。
つまり、整腸作用だけを見るとイヌリンの方が圧倒的に効果的であることがいえるでしょう。

性状、使用感の違い

イヌリンの製品も難消化性デキストリンの製品も通常は粉状になっていて、水分に溶かして使いますが、その形状、使用感に違いがみられます。
冷水で溶かした時、難消化性デキストリンは水にスッと溶けますが、イヌリンの場合溶けにくさが残るかもしれません。
さらにイヌリンは溶かすと若干とろみが感じられます。
つまり、わずかではありますが、使用感に違いがあることが言えます。

実績・信頼性の違い

イヌリンは“機能性表示食品の関与成分”としての利用がされています。
この機能性表示食品は、“事業者の責任において科学的根拠に基づいて機能性を表示している食品”となります。

また、難消化性デキストリンは“特定保険食品の関与成分”として認められています。
こちらのほうは“国として保険の効果を科学的に認められている”成分のため、信頼性においては難消化性デキストリンのほうが上であることが言えます。

イヌリンの健康効果について

イヌリンが及ぼす健康作用は、機能性表示食品の関与成分に認められているほど注目されています。
そこにはどんな作用があるのでしょうか? 具体的にご紹介していきましょう。

腸内環境の改善(整腸作用)

イヌリンは「プレバイオティクス」の条件を満たす成分として認められています。
プレバイオティクスは英国の微生物学者Gibsonによって1995年に提唱された用語です。プロバイオティクスが微生物を指すのに対してプレバイオティクスは、

  1. 消化管上部で分解・吸収されない
  2. 大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となり、それらの増殖を促進する
  3. 大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する
  4. 人の健康の増進維持に役立つ

の条件を満たす食品成分を指します。
イヌリンは腸内まで消化されることなく到達することができるため、善玉菌のエサとなって腸内フローラを整えることができます。

また、前述したように、食物繊維の中でも資化率(腸内細菌のエサとなる割合)が100%となっており、摂取するのに効率の良い成分であることが言えます。
また実際にヒトを対象とした臨床実験も行われ、腸内の細菌環境や便秘の改善も認められています。

血中内の脂肪細胞を減らす作用

このほか報告されている中では、イヌリンを摂取することで、血中の中性脂肪を優位に低下させることが挙げられます。
なぜなら水溶性食物繊維であるイヌリンは、コレステロールや胆汁酸などの脂質を吸着して体外に排泄する特性があるからです。
さらにイヌリンが腸内細菌のエサとなって細菌が短鎖脂肪酸を生成することによって、食欲を抑える働きがあることもわかっています。

免疫力アップの効果

また前述した短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)ですが、これらには免疫をコントロールする役割があることが、近年の研究で判明しています。
特に腸内の炎症を抑えるなど、様々な健康増進につながる物質として大きな注目を浴びています。
つまりイヌリンを摂取することで免疫力を上げることが叶うというわけです。

食後の血糖値上昇を抑える

さらにイヌリンは食事後の血糖値上昇を緩やかにするのに効果的であることがわかっています。
これはイヌリンがトロトロとした性状や水を含むと膨張する特性を持っているからです。
特にトロトロとした粘性や体積が大きくなる性質が功を奏し、食べ物を包み込んで消化吸収のスピードを遅らせます。
その結果として、血糖値の上昇を穏やかにすることができるのです。
食後の血糖値を抑制することは糖尿病といった生活習慣病の予防にも有効なので、大変ありがたい効果だと言えるでしょう。

イヌリンでダイエット? その実力とは

イヌリンでダイエット
このように多くの健康作用を秘めているイヌリン。
うまく利用することでダイエット効果を期待することもできるのをご存知でしょうか?
ここからはイヌリンでダイエットができる理由についてみていきましょう。

満腹感が得られやすいイヌリン

食物繊維の一種であるイヌリン。自身が持つ保水性から、体内で水分を吸収して膨張する特性があります。
このことにより食事に取り入れることで、満腹感を得やすくなり、結果としてカロリーの過剰摂取を抑えることが可能です。
さらにイヌリンをエサとする腸内細菌が短鎖脂肪酸という物質を作り出すこともわかっており、それが食欲抑制に効果的であるともいわれています。

余分な糖の吸収や体脂肪の合成を抑制

水溶性食物繊維であるイヌリンはそのトロトロとした粘状の特性や水分を含むと膨張する特性があり、そのお陰で他の食べ物の消化を遅らせる効果があることがわかっています。
消化を遅らせることは糖吸収の速度を緩やかにすることとなり、その結果、余分な糖の吸収を抑えることにつながります。
また体脂肪を合成するホルモンは食後の血糖値上昇によって増加しますが、イヌリンの糖の吸収速度を遅らせる働きにより、余計な体脂肪の合成を抑制することにもつながります。

腸内環境のバランスを整えるイヌリン

また痩せやすい身体づくりをするなら、腸内環境のバランスも重要なポイントです。腸内に潜んでいる善玉菌・悪玉菌そしてどちらにも属さない日和見菌のバランスは、腸内フローラと呼ばれています。
これは顕微鏡の中で腸内を観察すると、お花畑(flora・フローラ)のように見えることからそう名付けられました。
この腸内フローラのバランスの理想は“善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7”と言われていますが、不規則な食生活や体調の変化でバランスを崩してしまいます。
ここで活躍するのがイヌリンです。

イヌリンは難消化性デキストリンやポリデキストロースといった他の水溶性食物繊維と比べて、善玉菌のエサとして活用されやすい性質を持っています。
特にイヌリンが善玉菌を増やす手助けをしてくれるため、その結果、痩せやすい身体づくりができるというわけです。

副作用はある? 摂取量の目安はどれくらい?

このように健康維持に効果的な作用がたくさんあるイヌリンですが、副作用などはあるのでしょうか?
ここからはその副作用や摂取量の目安などについてご紹介していきます。

食物繊維だから安心。ただし過剰摂取には要注意

イヌリンは水溶性食物繊維の一種。天然由来の成分であることもあり、健康を害するとは考えにくい栄養素です。
ただしサプリメントなどで過剰摂取をすると、腹痛や下痢、また下痢から起こるミネラル欠乏症を引き起こす恐れがあります。
多量に摂取したからといって健康作用がより強まるものではないので適量を考えて使用しましょう。

目標摂取量は男性21g以上、女性18g以上

食物繊維の目標摂取量は年齢・性別によって変わりますが、毎日の食事からきちんと摂取するのは難しいものです。
厚生労働省が定める食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維の1日あたりの目標摂取量は18~69歳で「男性21g以上」、「女性18g以上」となっています。
近年の報告によると1日あたりの平均食物繊維摂取量は約14gだといいます。目標摂取量と比較するなら男性で約7g、女性で約4gが不足しているという概算になります。
近年は食事の欧米化によって、日本人の食物繊維摂取量は年々減少しています。
そのためにもイヌリンは積極的に取り入れたい栄養素といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
イヌリンとは水溶性食物繊維の一種であり、天然由来の成分であること、また、機能性表示食品の関与成分に認められており、様々な健康作用が期待できることがわかりました。
イヌリンは健康面だけでなくダイエットなど、美容面にも効果があることから積極的に取りたい成分です。
食物からだけでなくサプリメントや酵素などでも気軽に摂取することができるので、うまく活用することをおススメします。

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