【美容成分】プロパンジオールとは?成分の効果や副作用を解説
「保湿効果」「抗菌効果」などの目的で配合される美容成分「プロパンジオール」の効果や安全性について解説します。
プロパンジオールとは
プロパンジオールの化学的、物質的な性質を解説します。化学的、物質的な性質を知ると、納得して化粧品を使えるようになります。
石油由来から植物由来に
プロパンジオールは、元々は石油由来の成分でした。
しかし、近年は植物のグルコースからプロパンジオールを製造する方法が一般的になっています。
この記事では植物由来で製造されたプロパンジオールに関して記述していきます。
プロパンジオールはグリコール
プロパンジオールは、グリコールです。
グリコールとは、化学的には「二価アルコール」や「2つの水素基が異なった炭素原子に結合しているアルコール」と定義されます。
プロパンジオールには、「1,1-プロパンジオール」「1,2-プロパンジオール」「1,3-プロパンジオール」の3種類がありますが、化粧品で使われるのは「1,2」と「1,3」で、「1,3」のことをプロパンジオールと呼んでいます。
「1,2-プロパンジオール」はプロピレングリコール(PG)という名前で化粧品などに使用されています。こちらは一般的にはプロパンジオールとは言われません。
プロパンジオールの効果
プロパンジオールには次のような効果と役割があります。
- 保湿効果
- 髪質向上効果
- 抗菌効果・防腐性能向上効果
- 溶剤としての役割
1つずつ効果をみていきましょう。
保湿効果
プロパンジオールを化粧品に配合する最も大きな理由は保湿効果が期待できるからです。
ある研究所が、濃度10%のプロパンジオール水溶液が、肌の角層にどれくらい水分を保持できるか調べました。
比較したのは、精製水(単なる水)と、BG(濃度10%)、グリセリン(同10%)、プロピレングリコール(PG、同10%)です。BG、グリセリン、PGは保湿成分として知られています。
肌に塗ってから15分後までの角層の保水性は、10%プロパンジオールの圧勝でした。
ただ塗ってから30分が経過した時点で、10%グリセリンのほうが、10%プロパンジオールより水分を多く保持できました。それ以降は60分まで10%グリセリンが1位、10%プロパンジオールが2位でした。
ところが、最も保湿効果が高かったのは「5%プロパンジオールと5%グリセリン」を混ぜた水溶液でした。
「5%プロパンジオールと5%グリセリン」は、どの時間帯でも他の5つの水溶液(10%プロパンジオール、精製水、10%BG、10%グリセリン、10%PD)より優れていました。
このことから、プロパンジオールとグリセリンは、混ざることで相乗効果が生まれることがわかりました。
髪質向上効果
プロパンジオールを配合したヘアケア製品を使うと、よりしっとりして、よりつるつるして、より柔らかくなる感触が得られます。
また、プロパンジオールはアルコールの一種なので、さらさら感や軽さを生み出します。
抗菌効果・防腐性能向上効果
プロパンジオールには、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ、コウジカビといった病原体の発育を阻止する効果があることがわかっています。
そして、プロパンジオールに、ペンチレングリコールという成分を加えると、さらに抗菌力が高まります。
プロパンジオールには防腐性能の向上効果もあるので、化粧品に入れると他の防腐成分の効果が高まり、劣化しにくくなります。
溶剤としての役割
溶剤とは、美容成分や有効成分を溶かすために使う液体のことです。
化粧品では、溶剤は「ベース」になり、基材と呼ばれることもあります。
溶剤はベースとなればそれで十分役割を果たしたことになるのですが、プロパンジオールには保湿効果やテクスチャーの改善効果や抗菌効果もあります。
プロパンジオールを化粧品の溶剤に使えば、他の保湿成分やテクスチャー改善成分や抗菌剤や防腐剤の量を減らすことができます。
そしてプロパンジオールを溶剤にしている化粧品に、さらにグリセリンを配合すれば、より高い保湿効果を生み出すことができ、より優れた化粧品になります。
プロパンジオールの副作用
化粧品の材料としてのプロパンジオールは、副作用の心配はほとんどないと考えてよいでしょう。
皮膚への刺激、眼球への刺激、アレルギー性のいずれも問題のないレベルです。
プロパンジオールが含まれている化粧品
プロパンジオールが含まれる化粧品やケア商品には、ボディクリーム、ハンドクリーム、化粧水などがあります。
それぞれ、どのような人に向いているのか考えてみます。
ボディクリーム
ボディクリームになめらかな「伸び」を求める人は、成分表にプロパンジオールと書かれてある製品を選びましょう。プロパンジオール入りのボディクリームなら、ベトつかず「つるん」と塗ることができます。
全身をセルフマッサージするときにボディクリームを使っている人も、プロパンジオール入りがおすすめです。
ハンドクリーム
小さなお子さんがいたり、ペットを飼っていたりする人は、プロパンジオールをメインの保湿成分として使用しているハンドクリームがおすすめです。子供やペットとは、頻繁にスキンシップを取ると思います。そのとき、ベタつきがちなハンドクリームをつけていると、相手の汚れを吸いつけたり、自分の汚れを相手につけたりしてしまいます。
プロパンジオールをメインの保湿成分として使用しているハンドクリームなら、塗っていても手はさらさらしているので接触が気になりません。
その際は、他にどのような保湿成分が含まれているのかにも注目して考えるようにしましょう。
化粧水
乾燥したオフィスや自宅で仕事をしたり長い時間生活したりしている人には、プロパンジオール入りの化粧水を、ミストで使ってみてはいかがでしょうか。
化粧水は、普通は化粧品の浸透を促すために使いますが、スプレーボトルに入れてミストにして吹きかけると、日中でも顔や手に潤いを与えることができます。
もちろん、普通の使い方で、プロパンジオール入りの化粧水を使っても問題ありません。
プロパンジオールが含まれている化粧品の選び方
プロパンジオールが含まれている化粧品やスキンケア製品は、誰でも安心して選択することができます。刺激が小さく、副作用がほとんどなく、保湿性に優れ、軽い肌感覚なので、苦手にする人が少ないからです。
また、プロパンジオールはアレルギー反応が出にくい成分とされているので、肌のトラブルに悩まされている人も試す価値があると思います。
まとめ
プロパンジオールは、保湿、髪質の向上、抗菌と万能に使用できる成分です。
現在は植物由来のものが一般的になっているため、消費者に受け入れられやすく、それでプロパンジオールは人気の美容成分になっています。
もし、お手持ちの化粧品のどれにもプロパンジオールが入っていなかったら、プロパンジオール入りのクリームから試してみてはいかがでしょうか。「こんなにさらさらなのに保湿してくれるんだ」と、新たな発見ができるはずです。
美白※1有効成分が角質層に素早く浸透。透明感溢れるクリスタル肌へ。
美白※1だけでなくエイジングケアのことも考え、肌を整えくすみ※4 をケアし、みずみずしく明るい印象へ導きます。
※1 メラニンの生成を抑え、シミそばかすを防ぐ
※4 乾燥により肌がくすんで見える状態