【美容成分】アルブチンとは?成分の効果や副作用を解説
「色素沈着抑制効果」などの目的で配合される美容成分「アルブチン」の効果や安全性について解説します。
アルブチンとは
日々の美容ケアにおいて、シミ、くすみやシワ、たるみ…などなど肌の悩みは尽きないものです。その中でも特にシミやくすみなど、美白効果があると謳われる商品によく配合されている成分があります。その名もアルブチン。この成分には美白を助ける効果があるようです。今回はその成分とメカニズムについて調べてみました。
表記名とその特徴
アルブチンは1989年に医薬部外美白有効成分の一種として承認された物質です。
通常の表示名は下記ように表されます。
[医薬部外品表示名称]アルブチン
[慣用名]β-アルブチン
成分としてはハイドロキノンの分子構造を一部変化させ、ハイドロキノンとグルコースをβ結合して生み出されるハイドロキノン誘導体です。
アルブチンが皮膚に作用するメカニズムはアルブチン自身によるものであり
ハイドロキノンは美白の効果が期待できる成分として医薬部外品に認定されており、アルブチンは、ハイドロキノンと同じく美白効果を持つ成分です。
通常、成分表示に記載されるアルブチンはβ-アルブチンを指します。
なお2002年に江崎グリコによって開発されたα-アルブチンとは異なるもので、α-アルブチンの場合は、β-アルブチンの約10倍のチロシナーゼ活性阻害効果あるといわれています。
ちなみにアルブチンはサンタベリーや梨、ウワウルシ(ツツジ科の植物でハーブの一種)やコケモモなどに含まれています。
アルブチンの効果
その気になる効果とはチロシナーゼ阻害による色素沈着抑制作用と、肝斑改善による色素沈着抑制作用という2種類の色素沈着抑制作用にあります。
チロシナーゼを阻害することによって色素沈着を抑制
チロシナーゼ阻害による色素沈着抑制作用に関しては、メラニンのメカニズムやチロシナーゼが何なのかを説明しなければなりません。
通常、シミやそばかす、肌のくすみの原因となるメラニン色素の生成は、紫外線やストレスなどによって活性酸素が発生することに起因します。
それは様々な情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)をメラノサイト内でレセプター(受容体)に届けることで、メラノサイト内のメラニンが生まれ、ユウメラニン(黒化メラニン)となります。
メラノサイト内におけるメラニンの発生は、アミノ酸であるチロシンに活性酸素であるチロシナーゼが結合し、チロシンが酸化することでチロシン→ドーパ→ドーパキノンへと変貌を遂げ、最終的にユウメラニンやフェオメラニン(黒化メラニン)となってしまいます。
もしもこれらのメカニズムの中で、チロシンが酸化し、チロシナーゼの結合量を減らすことは色素沈着抑制に繋がると考えて良いでしょう。
特にアルブチンはマウスを使った検証実験において、メラニン生成、細胞内チロシナーゼ活性に対する作用とそれらの作用に対するハイドロキノンの役割について研究され、メラニン生成抑制作用があることが実証されています。
またヒトに対する有効性検証においても、紫外線照射により生じる色素沈着について研究がなされ、アルブチンがヒトに対する色素沈着抑制作用があることがデータによっても認められています。
肝斑改善による色素沈着抑制作用
肝斑とは両頬の左右対称にできる薄茶色のシミで、女性ホルモンのバランスや乱れが原因となって発生するシミのことです。顔、特に頬や額、口まわりなどに認められるのが特徴で、更年期にさしかかる女性ホルモンのバランスが乱れやすい30代後半から50代の女性にできやすいと言われています。
また肝斑は妊娠が原因だったり、経口避妊薬によるケースのほか、紫外線の浴びすぎで発症が起こることもあります。
アルブチンの肝斑に関する研究については1992年に臨床効果実験が行われています。アルブチン配合の化粧水、乳液、クリームについて、朝は化粧水と乳液、就寝前は乳液とクリームを実際に使用してもらった結果、最終的に約60%の人が肌の状態が肌の状態が良好に近づいたとの印象を示しています。
このことから、アルブチンには肌への美白効果があることが実証されています。
アルブチンの副作用
また成分の副作用においての安全性については、医薬部外品有効成分であり、10年以上の使用実績があります。
皮膚刺激性においては安全性データにおいて、「ヒト(ボランティア)に日光の有無にかかわらず、10%β-アルブチンを含む化粧品製剤を解放パッチで繰り返し塗布したところ、有害反応は認められず、十分使用に耐えうるものであった」とあり、さらにウサギを使った動物試験においては、ウサギの擦傷された皮膚における10%濃度までのβ-アルブチンを含む溶液の皮膚刺激試験の結果、刺激性を示さなかったため、ウサギの皮膚に対して10%濃度まで非刺激性であるとみなされた、との記載があります。
また眼刺激性についても動物実験において10%濃度までのβ-アルブチン溶液の眼刺激試験の結果、刺激性を示さなかったため、ウサギの眼に対して10%濃度まで非刺激性であるとみなされたとあり、目刺激性においては10%濃度においてほとんどないことがわかっています。
また皮膚感作性(アレルギー性)についても、10%濃度までのβ-アルブチンを使用した皮膚感作性試験の結果、試験した濃度は陰性であることが示され、また陽性対照は明らかにアレルギー反応を誘発したため、β-アルブチンは皮膚感作物質でないと考えられたとの記載があるため、10%以下濃度においてほとんどないということが言えます。
このことからも、化粧品の配合量や通常の使用下で10%濃度を超えることはありませんから、一般的に安全性において問題のない成分であると考えられています。
アルブチンが含まれている化粧品
アルブチンは
●チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用
●肝斑改善による色素沈着抑制作用
これらの目的で、美白化粧品はもちろん、シートマスク製品、ボディ・ハンドケアや日焼け止め製品、また洗顔料もしくは洗顔石鹸などに配合されています。
アルブチンが含まれている化粧品の選び方
主に色素沈着抑制作用が期待されて配合されているアルブチン。長期的に毎日使う基礎化粧品や、洗顔料、そして美白を目的とした化粧品に配合されているものを選ぶのが得策でしょう。
またシートマスク製品は白く透明感のある肌を目指すにはうってつけの商品です。
さらに日焼け止めでもアルブチンが含まれているものがあります。SPFやPAといった紫外線の防御効果だけに注目せず、アルブチンのような色素沈着抑制作用が配合されているものを選ぶことも選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
アルブチンについてのまとめ
アルブチンは、シミやそばかすなどの原因になるメラニン生成に深く関わるチロシナーゼを阻害することによって色素沈着を抑制する働きがあることがわかりました。また、アルブチンは厚生労働省に美白の効果・効能があると認められた医薬部外品有効成分であり、効果に信頼がおける成分になります。
年齢肌に差し掛かり、シミ・そばかすを予防したい場合は、色素沈着抑制の効果があるアルブチンが配合されている基礎化粧品や日焼け止めをチェックし、透明感のある美肌を目指しましょう。
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