40~50代の性欲減退やEDは男性更年期障害が原因かも!?恐るべき実態とは
東北大学医学部泌尿器科学は「性欲の衰えや勃起能の衰えは、男性更年期障害によって起ることがある」と述べています。
男性にも更年期障害があることはかなり世間に知られてきましたが、それが性欲減退とED(勃起不全症)の原因になっていることはあまり知られていません。
40~50代の男性が、男性としての能力を気にするようになったら、更年期障害を疑ってみたほうがよいでしょう。
この記事では、男性更年期障害について解説したうえで、この病気がどのように男性の能力を低下させていくのか紹介します。
さらに、男性更年期障害を治す方法についても紹介します。
男性更年期障害の症状
男性更年期障害の正式名称は「加齢男性性腺機能低下症候群(late-onset hypogonadism)」といい、LOH症候群と呼ばれることもあります。性腺とは、男性の精巣、女性の卵巣のことです。
ただこの記事では、一般的に知られている男性更年期障害という名称を使います。
男性更年期障害では、次のような症状が起きます。
- 性欲の減退
- 勃起能の減退
- 体がだるい
- やる気が起きない
- ほてり、発汗
- 記憶力の低下
つい「年のせいかな」と思ってしまうような症状が並んでいます。40代50代やそれ以上の中高年男性がこのような症状を自覚していたら、男性更年期障害が疑われます。
さらに詳しく症状をみていきましょう。
男性更年期障害の診断で使われるADAM質問票の内容
医療機関によっては、男性更年期障害が疑われる患者さんに「ADAM質問票」を使って問診することがあります。
ADAM質問票で尋ねるのは次の項目になります。
- セックスをしたい気持ちが低下したという自覚があるか
- 勃起力が弱くなったと感じるか
- 元気がなくなってきたという自覚があるか
- 体力、持続力の低下があるか
- 運動する能力が低下したと感じるか
- 夕食後にうたた寝することが増えたか
- 日々の楽しみが少なくなったと感じているか
- もの悲しい気分に襲われることがあるか
- 怒りっぽくなったと感じるか
- 仕事の能力が低下したと感じるか
- 身長が低くなったか
患者さんは「はい」または「いいえ」で答え、「はい」が多いほど男性更年期障害のリスクが高まります。
これらはすべて、男性更年期障害を発症すると出てくる症状ですが、特にセックス意欲の低下と勃起力の減退の両方に「はい」と答えた方は、男性ホルモンの低下が強く疑われます。
また、ADAM質問票で、セックス意欲と勃起力減退の両方が「いいえ」でも、その他の質問で3つ以上「はい」があると、やはり男性ホルモンの低下が疑われます。
男性ホルモンは男性更年期障害と深く関わるので、後段でさらに詳しく解説します。
抑うつを招くこともある「精神状態に注意して」
帝京大学医学部泌尿器科は、男性更年期障害では次のような症状が出ると指摘しています。
- 疲労感
- 倦怠感
- 性欲低下
- ED
- 不眠
- 肩こり
- 気力の衰え
- 集中力の低下
- イライラ
- 抑うつ
ADAM質問票では、夕食後のうたた寝が取りあげられていましたが、ここでは不眠が指摘されています。つまり睡眠障害が問題になることがわかります。
また、精神症状では、集中力や感情面だけでなく、抑うつも問題になることがわかります。
男性更年期障害の原因「テストステロンとは」
男性更年期障害の原因は、テストステロンという男性ホルモンの減少とみられています。
テストステロンは、いわゆる男性らしさをつくるホルモンです。
1次性徴とは2次性徴とは
テストステロンは男性の1次性徴と2次性徴に関わっています。人は1次性徴と2次性徴を経て、より男性らしく女性らしくなっていきます。
性徴とは、男女の判別の基準となる身体上の特徴のことです。
1次性徴とは、男女それぞれの性器の特徴のことで、男性の場合は精巣や陰茎のことであり、女性の場合は子宮や卵巣や膣のことです。
2次性徴は、思春期以降に現れる、性器以外の男女の身体的特徴になります。
2次性徴と男性ホルモンと女性ホルモン
男性の2次性徴の特徴は、女性の2次性徴と比較すると理解しやすいので、両性について解説します。
女性も男性ホルモンを持ち、男性も女性ホルモンを持ちますが、しかし男性ホルモンは男性に多く、女性ホルモンは女性に多く存在します。そして、男性らしさは男性ホルモンがつくり、女性らしさは女性ホルモンがつくります。
男性ホルモンと女性ホルモンが活発に働くのが思春期以降で、2次性徴に深く関わってきます。
思春期になると、脳の下垂体という部分から性腺刺激ホルモンが分泌されます。このホルモンに刺激され、男性の場合は精巣から男性ホルモンが出てきて、女性の場合は卵巣から女性ホルモンが出てきます。
男性ホルモンと女性ホルモンは血液によって全身に運ばれ、全身の臓器や器官や組織が男性らしく、または女性らしくなっていきます。このようにして二次性徴がつくられていくわけです。
男性ホルモンで重要なのは、先ほど紹介したとおりテストステロンです。
女性ホルモンで重要なのは、エストロゲンです。
テストステロンがつくる男性らしさとは
テストステロンは思春期から20代に向けて急増していきます。そのため2次性徴の特徴が顕著になり、この時期の男性は「だんだん男らしくなってきた」と言われるようになります。
テストステロンがつくる男性らしさとは次のとおりです。
- 性欲を強める
- 攻撃性を高める
- 筋肉を増やす
- 骨を丈夫にする
- 血液を増やす
- 毛髪を育成する
- 性機能を高める
- 陰茎が発達する
- 精子がつくられる
一部の例外はありますが、一般的に男性のほうが女性より攻撃的なのは、テストステロンの影響と考えられています。
イギリスの研究者が、証券会社の男性の血中のテストステロン量を調べたところ、利益を上げている人ほどテストステロンの量が多いことがわかりました。
また、芸術家や音楽家など創造的な仕事をしている人はテストステロンの量が多く、教師や医者などの羽目を外すことが苦手な人はテストステロンの量が少ない傾向がある、という報告もあります。
なぜテストステロンは減るのか
男性更年期障害の原因は、テストステロンの減少であると考えられています。
テストステロンは精巣でつくられますが、これをつくっているのは精巣内のライディッヒという細胞です。ライディッヒ細胞は加齢とともに減少することがわかっています。
また、加齢とともに、脳の下垂体の性腺刺激ホルモンの量も減ります。このホルモンの刺激によってテストステロンが分泌されるので、性腺刺激ホルモンの減少もテストステロン量の減少を招きます。
順天堂大学医学部泌尿器科によると、テストステロンの量は、40歳で2~5%減り、70歳になると30~70%も減ります。
男性更年期障害と性欲減退とED
それでは、男性更年期障害の症状のうち、性欲減退とEDについて、さらに詳しくみていきます。
なぜテストステロンの量が減ると性欲が減退するのか
体内のテストステロンが減ると性欲が減るのは、テストステロンが性欲の源になっているからです。
性欲とは「セックスをしたい」という思いです。ではなぜセックスをしたいと思うのかというと、気持ちがよいからです。
では、気持ちがよいとは、どのような状態なのでしょうか。
脳内に快楽物質であるドーパミンが増えると、気持ちがよいと感じます。そして、人が一度気持ちがよいと感じると、もう一度あの快楽を味わいたいと思います。これが性欲の正体になります。
ドーパミンは「報酬」と呼ばれることがあります。人の行動の多くは、報酬を多く得る方向に進み、その方向に進ませるモノを報酬と呼びます。
脳は「もっとドーパミンという報酬を得たい」と思います。セックスによってドーパミンが得られれば、セックスをしたいと思い続けることになります。
テストステロンはドーパミンを増やすことで性欲の発生に関与しています。
なぜテストステロンの量が減るとEDが発症するのか
テストステロンの量が減るとEDになるのは、テストステロンが勃起に必要な興奮と海綿体への血液の流入に関わっているからです。
一般的な興奮と性的興奮はとても深い関係にあります。スポーツ選手は試合が近づくとモチベーションが高まっていきますが、このとき同時に性欲も高まることがあります。これは、スポーツに対する興奮も性的興奮も、テストステロンが司っているからです。
したがって、テストステロンが減ると一般的な興奮が減り、同時に性的興奮も減っていきます。
勃起は、神経による情報伝達で起きます。いやらしい状況を見たら、その視覚情報が神経を通じて脳に届き興奮が生まれます。そして興奮した脳が出す「勃起せよ」という指示は、神経を通じて陰茎に届き勃起を引き起こします。
勃起に関わる神経伝達物質であるモノアミンは、テストステロンによって活性化することがわかっています。
また、勃起を引き起こすには、血中の一酸化窒素が増えて血管が拡張する必要がありますが、テストステロンは一酸化窒素合成神経という神経の機能を高める作用があります。
このことから、テストステロンが減ると、機能的に勃起を阻害していきます。
テストステロンの分泌の低下がEDの一因になっていることは、さまざまな論文で証明されています。
男性更年期障害の治療
男性更年期障害の治療法を紹介します。
テストステロンの血中濃度を調べる
男性更年期障害が心配になったら、泌尿器科を受診するとよいでしょう。
泌尿器科の医師は、男性更年期障害が疑われると、採血検査をします。これによって、テストステロンの血中濃度を調べます。
テストステロンの量は時刻によって変わるので、数値が高くなりやすい午前中に採血するのが理想です。受診するときは、早めにクリニックに行きましょう。
テストステロンは総量だけでなく、その内訳も重要です。
テストステロンは、
- 遊離テストステロン
- アルブミン結合テストステロン
- SHBG結合テストステロン
の3つで構成されています。
このうち、男性の機能に関わるのは「遊離テストステロン」と「アルブミン結合テストステロン」です。
採血検査では、「遊離テストステロン」「アルブミン結合テストステロン」「SHBG結合テストステロン」の割合(内訳)も確認します。
採血検査のほかに、問診を行って、男性更年期障害に特徴的な症状が現れているかどうか確認します。
生活習慣を適正化させよう
軽度の男性更年期障害の場合、生活習慣をあらためることで改善が期待できます。
運動不足、睡眠不足、肥満、食生活の悪化、糖質の摂りすぎといった傾向があれば、それをあらためることでテストステロンが増えることがあります。
肥満と食生活の悪化は特に注意が必要です。内臓脂肪の増加が、テストステロンを分解してしまうからです。
内臓脂肪を減らすには、有酸素運動が有効です。
内臓脂肪が減れば、テストステロンの分解が減り、増加に転じることが期待できます。
また、精神面のケアも重要です。仕事や家庭の事情などで強いストレスを抱えている場合、それを取り除くことで改善することがあります。
また、女性との接触を増やすことでテストステロンが増えることがあります。
テストステロンの減少によって女性への関心が薄れるわけですが、女性への関心を高めることでテストステロンの増加が期待できます。
生活習慣を改善しても効果が現れない場合、薬物療法を取り入れます。
または、生活習慣の改善と同時に、薬物療法に取り掛かります。
テストステロン補充療法
男性更年期障害の代表的な薬物療法はテストステロン補充療法です。
「テストステロンエナント酸エステル注射液」(商品名はテスチノンデポー筋注用)という薬を注射で筋肉に投与します。
テストステロン補充療法は、公的医療保険の適用になっています。
注射投与は、1回100mgを7~10日ごと、または、1回250mgを2~4週間ごとに行います。
テストステロンエナント酸エステルという物質は、体内に入るとテストステロンを生成します。
まとめ~「乗り越えられる危機」と信じてください
性欲減退もEDも、どちらも40代50代ではよくあることで、誰がそのような状態になってもおかしくありません。
しかし、「こんなものだ」とあきらめるか、「乗り越えられるはずだ」と解決の道を探るかは、人それぞれです。
ぜひ、この危機を乗り越えようと思ってください。40代50代の性欲減退とEDが男性更年期障害によるものであれば、発症原因がわかっていますし、治療法も確立しているからです。
この危機は乗り越えられるはずです。
60代でも70代でも男性機能を維持し続ける男性がいます。40代50代は、そのような先輩諸氏を見習って対策に打って出ましょう。
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