40代でED(勃起障害)になる原因は何?ストレス?加齢?食事?

40代でED(勃起障害)になる原因は何?ストレス?加齢?食事?

40代でED(勃起障害)を発症することは、決して珍しいことではありません。
日本性機能学会と日本泌尿器科学会が共同で作成している「ED診療ガイドライン」によると、年代別のED発症率は次のとおりです。

年代別ED発症率

●40歳未満:1~10%
★40代:2~15%
●50代:40代と60代の間
●60代:20~40%
●70代:50~100%

40代は2~15%となっています。もし、40代の人が10人集まれば、最大2人がEDを発症している可能性があるわけです。
「40代はまだまだ大丈夫」と思っていた40代男性にとっては、恐ろしい数字のはずです。

しかし40代男性がもっと気にしなければならないは、50代以上の発症率です。40代の発症率よりはるかに高いことがわかります。
つまり、40代でEDの芽を摘み取っておかないと、これからさらなる危険にさらされることになります。

この記事では、40代でEDを発症する原因を解説します。原因は、ストレスでしょうか、加齢でしょうか、食事でしょうか。

答えは「そのすべて」と「+α」です。

EDの原因は「体の仕組み」と「メンタル」と「薬」の3つ

EDの原因
40代のEDの原因をみる前に、ED全体の原因を確認しておきます。
EDは次の4つのパターンで発症します。

Aパターン:体の仕組みに異常が現れたとき
Bパターン:メンタルに異常が現れたとき
A+Bパターン:体の仕組みとメンタルの両方に異常が現れたとき
Cパターン:特定の薬を服用しているとき

パターンは4つですが、原因は体の仕組み、メンタル、薬の3つであることがわかります。
体の仕組みの異常によるものを器質性EDといいます。
メンタルの異常によるものを心因性EDといいます。
特定の薬によって発症するものを薬剤性EDといいます。
1つずつ説明していきます。

器質性EDとは

勃起のメカニズムはとても複雑で、さまざまな臓器や器官や組織が連係することで成立します。
若い人は、性的刺激を受けると「瞬時」と感じられるほどあっという間に勃起するので、その裏に複雑なメカニズムが働いていることを意識できないでしょう。しかし、そう遅くない時期に「俺、今ものすごく興奮しているのに、ペニスがピクリとも動かない」といったことが起きます。

勃起の成立は、ドミノ倒しのようなものです。1つ目のドミノが倒れて、2つ目のドミノを倒し、それが3つ目のドミノを倒して――というふうに、途切れず、順番に、連続していかないと完成しません。

器質性EDは、体の仕組みの異常によって生じると紹介しました。勃起に関わる臓器、器官、組織の1つでも異常が起きると、途中でドミノが倒れなくなるのでゴールに到着しません。

勃起のメカニズムの一部をみてみましょう。
ペニス内の海綿体に血液が溜まることで勃起が起こることはよく知られていると思います。血液が関与しているので、血管に異常が出れば勃起しなくなります。

血管の病気でよく知られているのが動脈硬化です。動脈硬化を引き起こすと、性的に興奮した脳が、ペニスに対してどれだけ強く「勃起せよ」と命じても、血液がなかなか海綿体のなかに入ってこないので勃起しにくくなります。
糖尿病の人は、動脈硬化も併発していることが多い特徴があります。糖尿病はインスリンというホルモンの病気ですが、動脈硬化を介してEDに関わることになります。

そして勃起では、神経も重要な役割を持ちます。
女性の裸を見て、興奮して、勃起するのは、神経が情報を伝えているからです。
女性の裸を見ても、最初は単なる視覚情報にすぎません。目が獲得した視覚情報は、神経を経由して脳に伝わり、脳が「これはエロティックだ」と判断して興奮します。興奮した脳が発する「勃起せよ」という命令は、やはり神経を経由してペニスに伝わります。
この流れを整理するとこのようになります。

●女性の裸→目が視覚情報をつくる→神経が視覚情報を運ぶ→脳が興奮して勃起を命じる→神経が勃起命令を運ぶ→ペニスが勃起する

この流れから、神経がダメージを受けていたら勃起が成立しないことは一目瞭然です。

神経がダメージを受ける病気やケガには次のようなものがあります。

●脳出血など脳の病気、脳外傷や脊髄損傷、手術による神経損傷、パーキンソン病やアルツハイマー病など

器質性EDは、一見するとEDの原因とは思えないような臓器、器官、組織の異常によって引き起こされます。

心因性EDとは

心因性EDは、パートナーとの関係、生活、仕事などのストレスが原因になります。
また、セックスがうまくいかなかった経験を引きずることで起きることもあります。
ストレスが過度になると、性的興奮を神経がうまく伝えられなくなります。神経の異常という点では器質性EDの要素もあるのですが、ストレスや気持ちの問題が発端になっているときは心因性EDと診断されます。

薬剤性EDとは

薬剤性EDは、EDを構成している臓器、器官、組織、メカニズムに悪影響を及ぼす薬を服用しているときに発症します。
例えば、精神疾患を発症した人が抗精神病薬を飲んでいると、この薬が中枢神経に働きかけることから、勃起の邪魔をすることがあります。
次のような薬は薬剤性EDを引き起こすリスクがありますので、現在飲んでいる薬が含まれているかどうか確認してみてください。

解熱剤、消炎鎮痛剤、抗不安薬、抗うつ薬、抗けいれん薬、抗精神病薬、睡眠薬、向精神薬、筋弛緩薬、鎮けい薬、麻酔薬、抗コリン薬、不整脈治療薬、利尿剤、降圧剤、血管拡張剤、高脂血症用剤、消化性潰瘍治療薬、麻酔薬

これらは、神経に作用する薬、心臓や血管に作用する薬、消化器に作用する薬です。
薬剤性EDの治療は、対象の薬の服用をやめれば改善が見込めるものの、その薬をやめると、その薬で治している病気が悪化する、というジレンマがあります。

40代のED治療が難航するのは「全部に当てはまるから」

40代のED治療が難航するのは「全部に当てはまるから」
40代男性がここまで読めば、自分のEDや、同年代の人たちのEDの治療が「やっかい」になることが容易に想像できると思います。

40代になると生活習慣病が気になり始めるので、器質性EDの発症リスクが高まります。
40代になると仕事でもプライベートでも複雑かつ重要な問題を抱えるようになるので、心因性EDの発症リスクが高まります。
40代になって生活習慣病や精神疾患を発症するとさまざまな薬を飲むようになるので、薬剤性EDの発症リスクが高まります。

40代はEDリスクが一気に高まる最初の年代ということができます。

ガイドラインから40代のEDリスク要因を探る

冒頭で紹介したED診療ガイドラインには「EDのリスクファクター」が12個紹介されています。次のとおりです。

1、加齢
2、糖尿病
3、肥満と運動不足
4、心血管疾患および高血圧
5、喫煙
6、テストステロンの低下
7、慢性腎臓病と下部尿路症状
8、神経疾患
9、外傷および手術
10、心理的および精神疾患的要素
11、薬剤
12、睡眠時無呼吸症候群

紙幅の関係からすべてを紹介することはできませんが、すでに紹介したもの以外で、40代の人に「特に気にしてもらいたい」項目をピックアップして解説します。

加齢

世界中でED研究が行なわれていて、世界で共通しているEDの原因は加齢でした。
1998年に日本で2,000人を対象にしたED調査を行ったところ、EDの発症率(正確には罹患率)は年齢の上昇とともに高くなっていることがわかりました。

「加齢がEDの原因」と聞くと「40代はいい歳なので、EDになったらあきらめるしかないのか」と思うかもしれませんが、そのように考えないでください。
ぜひ、次のように考えてください。

●加齢とともにEDリスクが高まるのだから、加齢以外のEDの原因を除去しなければならない

自分のリスクの高さがわかると、その予防に備えるモチベーションが高まるはずです。

2、糖尿病

日本の研究で次のことがわかっています。

●糖尿病患者さんの35~90%がEDを発症する可能性がある
●糖尿病患者さんのED発症年齢は、糖尿病でない人より10~15年早い

糖尿病の予防や糖尿病の改善には、厳しい健康管理が必要になります。肥満の人はダイエットしなければなりませんし、運動不足の人は運動を始めなければなりません。食事療法も必要です。

しかし、ダイエットや運動が苦手だと糖尿病を発症しやすくなる、という事情もあります。糖尿病の終着駅は、失明、足の切断、人工透析とわかっていても、ダイエットや運動や食習慣の改善に取り組めない人は少なくありません。

そこで、糖尿病の予防や糖尿病の改善のモチベーションに「いつまでも健やかなセックスをするため」を加えてみてはいかがでしょうか。
糖尿病を発症すると、最大90%の確率でEDになり、セックスができなくなってしまいます。それは、性欲が強い人によっては「死ぬほどつらいこと」ではないでしょうか。

糖尿病の悪化ですら死ぬほどつらいことなのに、そこにEDを併発すれば、死ぬほどつらいことがもう1つ加わってしまいます。
40代の方は今こそ、糖尿病の予防、または糖尿病の改善に取り組むときです。
まずは食習慣の改善と適切な運動に取り組みましょう。

テストステロンの低下

テストステロンという言葉を知らない人が少なくないと思うので、解説します。
テストステロンは睾丸と副腎でつくられる男性ホルモンで、神経、血管、ペニス内の海綿体の機能を正常に保つのに欠かせません。
海綿体はもちろんのこと、神経と血管も勃起に深く関わっているので、テストステロンが低下するとEDリスクが跳ね上がることになります。

テストステロンは、次のような悪習慣によって減っていきます。

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 大きな勝負に負ける

大きな勝負に負けることもストレスの1つになりますが、興味深いエピソードがあるのでピックアップしました。
アメリカの2008年の大統領選後に、オバマ氏とマケイン氏の両陣営の男性スタッフのテストステロンを調べたところ、勝ったオバマ陣営のテストステロンのほうが、マケイン陣営より多かったそうです。
勝つ経験がテストステロンを増やし、負けるとテストステロンが減ります。

40代になったら、勝ちにこだわったり、負ける試合を避けたりするとよいかもしれません。

心理的および精神疾患的要素

うつ病を含む気分障害の患者数は次のように推移しています。

2002年:71万人
2005年:92万人
2008年:104万人
2011年:96万人
2014年:112万人
2017年:128万人

2011年に一度だけ前回調査の人数を下回りましたが、それ以外は右肩上がりの傾向を示しています。
40代男性であれば、職場内や仕事関係者や、もしかしたら家族や親族のなかに、「うつで苦しんでいる人がいた(いる)」という経験をしているのではないでしょうか。もしかしたら、自身がうつ病を経験しているかもしれません。

日本の研究では、うつ病を発症すると、EDの発症のしやすさが、非うつ病の人の2.02倍になることがわかっています。
アメリカの調査では、情緒的な問題を抱えている人や強いストレスを感じている人は、そうでない人より3.56倍もうつ病を発症しやすくなることがわかりました。
心とペニスは直結していると考えてよさそうです。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群の患者さんのEDの発症のしやすさは、そうでない人の1.82倍です。
睡眠時無呼吸症候群はここ10年くらいの間で急激に認知度を高めた病気(症状)です。
夜、眠っているときに呼吸が止まってしまったり、大きないびきをかいたりする症状を引き起こします。夜の眠りが浅くなるので、日中に強烈な眠気に襲われるようになります。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんのなかには、自動車の運転中に眠気に襲われて事故を起こす人もいます。
もしそのドライバーがバスの運転手だった場合、大事故につながります。

睡眠時無呼吸症候群がEDの原因になり得ることは確かですが、EDにつながる理由にはいくつか説があります。

  • 睡眠時無呼吸症候群によって夜間勃起が障害され、それが海綿体の異常を引き起こす
  • 睡眠時無呼吸症候群が海綿体内の血管を障害する
  • 睡眠時無呼吸症候群によってテストステロンが減ってしまう
  • 睡眠時無呼吸症候群によって神経が過剰に興奮してしまい、神経に支障をきたす

睡眠時無呼吸症候群の原因は肥満とされています。肥満の人が仰向けの状態で眠ると、喉が狭くなって呼吸がしづらくなり、無呼吸を引き起こします。
ここでも肥満が登場しました。肥満の人は、食事制限などで対処していきましょう。

まとめ~「いろいろある」からこそ注意したい

40代男性には、いろいろ大変なことが起きます。
もちろん、40代女性にも、別の年代の男女にも、大変なことが起きますが、40代男性は「自分たちほど大変な世代はない」と思っているのではないでしょうか。

40代男性は仕事でも家庭でも責任が増え、攻めるときはまだまだガンガン攻めければならないのに、守るときはきっちり守っていかなければなりません。
自分の幸せだけを考えることは許されず、下の者も上の人たちも支えなければなりません。
そうなると、ついセックスのことやペニスのことや、ときには健康のことすら忘れがちになります。
40代男性にこそ、セックスの快楽が必要です。そのためにも、40代ならではのEDリスク要因を取り除くようにしましょう。

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