カフェイン摂取がED(勃起障害)に効く!?毎日コーヒーを飲もう!
コーヒーに含まれるカフェインにED(勃起障害)を予防したり改善したりする効果があるとしたら、どうしますか。
毎日でもコーヒーを飲みたいと思いませんか。
アメリカの大学がカフェインとEDとの関係を明らかにしたので、この説は信じてよさそうです。
日本の研究者も、コーヒーやカフェインの健康効果を立証しているので、毎日飲んでも大丈夫です。
ただ、EDや勃起やセックスに関する説には怪しいものが少なくないので、この記事では「しっかりとしたエビデンス(科学的根拠)」を示して、カフェインとコーヒーと勃起の関係を明らかにしていきます。
テキサス大学の「カフェインとED」論文を読んでみる
アメリカのテキサス大学ヒューストン公衆衛生学部(疫学)の研究者、デビッド・S・ロペス氏たちは2015年4月に、「アメリカ男性のEDに対するカフェインの効果」という論文を発表しました。
この論文の情報は以下のとおりです。
●論文のタイトルの原文
Role of Caffeine Intake on Erectile Dysfunction in US Men: Results from National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2001-2004
●著者たちの氏名
David S. Lopez, Run Wang, Konstantinos K. Tsilidis, Huirong Zhu, Carrie R. Daniel, Arup Sinha, Steven Canfield
●論文が掲載されているサイトのURL
PLOS ONE
※オンライン上で無料かつ制約無しで閲覧可能な学術雑誌サイト
ロペス氏は、アメリカでは成人の85%がカフェインを消費しているので、EDになんらかの影響が出ているはずだと考えて、カフェインの摂取量とEDの関係について調べることにしました。
ロペス氏たちの調査方法
ロペス氏は、アメリカで行われている国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)に参加した20歳以上の男性3,742人に、カフェインの摂取量とEDの有無について調べました。
まず、この3,742人を、1日のカフェイン摂取量ごとに5つのグループにわけました。
●カフェイン摂取が最も多い:1日304~700mg
●2番目に多い:1日171~303mg
●3番目に多い:1日85~170mg
●4番目に多い:1日8~84mg
●最も少ない:1日0~7mg
そして、それぞれのグループのEDリスクを割り出しました。
リスクの大きさは、「最も少ない」グループのリスクを100%として、それより高いか低いかで示しています。
調査結果「カフェイン摂取が多いほどEDリスクは下がるが、多すぎてもだめ」
結果は次のとおりです。
<グループごとのEDリスクの高さ:「カフェイン摂取が最も少ない」グループのリスクを100%とする>
●カフェイン摂取が最も多い:69%
●2番目に多い:61%
●3番目に多い:58%
●4番目に多い:67%
●最も少ない:100%
画像引用:PLOS ONE|Role of Caffeine Intake on Erectile Dysfunction in US Men: Results from NHANES 2001-2004
最もEDリスクが少なかったのは「3番目に多い」グループの58%でした。「最も少ない」グループより42ポイント(=100%-58%)もEDリスクが低いことがわかりました。
「2番目に多い」グループ(61%)も、「最も少ない」グループより39ポイント(=100%-61%)もEDリスクが低い結果となりました。
ただ、「4番目に多い」グループのEDリスクは、「3番目に多い」グループより高くなっています。
さらに「最も多い」グループは、「4番目に多い」グループよりEDリスクが高い結果となりました。
この結果から、次のことがわかります。
理想のコーヒーの量は「1日2、3杯」
EDリスクを減らす効果が最大になった「カフェイン摂取が3番目に多い:1日85~170mg」は、コーヒーに換算すると、標準的なコーヒーカップで2、3杯になります。
ロペス氏たちは、標準的なコーヒーカップ2、3杯のカフェイン量を「170~375mg」としています。
つまり、毎日コーヒーを2、3杯飲むと、EDリスクを効果的に減らせる可能性があることになります。朝1杯飲んで、昼食で1杯飲んで、3時のおやつのときにその日の最後のコーヒーを飲むことを習慣にするとよいかもしれません。
なぜカフェイン摂取がEDリスクを減らすのか
さて、ではなぜ、カフェインの摂取量が増えると、EDリスクが低下するのでしょうか。
この考察はとても重要ですので、さらに詳しく解説します。
「Aが増えたらCが減った」からといって「AがCを減らした」とまではいえない
ロペス氏たちの研究は「カフェインの摂取量が減るとEDリスクが減る」ことは証明しましたが、「カフェインがEDリスクを減らすこと」は証明していません。
「Aが増えたらCが減った」からといって「AがCを減らした」とまではいえません。少し複雑に感じるかもしれませんが、もう少し掘り下げてみます。
仮に、カフェインを多く摂る人たちに、ある特殊な習慣があった場合、その特殊な習慣がEDリスクを減らしているかもしれません。
これも仮の話ですが、カフェインを多く摂る人が、尿量が多い傾向にあったとします。それが事実なら、尿量の多さがEDリスクを減らしているかもしれません。
ロペスたちは、この疑問をどのようにクリアしているのでしょうか。
どうして「カフェインがEDリスクを減らした」といえるのでしょうか。
カフェインは動脈と海綿体を弛緩させて勃起させやすくしている
カフェインがEDリスクを減らすことについて、論文では次のように書かれてあります。
“It was previously hypothesized that coffee and/or caffeine initiates a series of pharmacological effects that lead to the relaxation of the cavernous smooth muscle and that subsequently could improve ED.”
カフェインまたはコーヒーが、ペニスの海綿体の平滑筋を弛緩させ、それがEDを改善させたのではないか、と考えられています。
“The suggested biological mechanism is that caffeine triggers a series of pharmacological effects that lead to the relaxation of the penile helicine arteries, and the cavernous smooth muscle that lines cavernosal spaces, thus increasing penile blood flow.”
カフェインがペニスのラセン動脈と、ペニスの海綿体の平滑筋を弛緩させ、それによりペニスに流入する血液量が増えることがわかっています。
このように、論文内の別の場所で2回も似たことを述べています。
カフェインがペニスの動脈やペニスの海綿体を弛緩させるので、血液がペニスに流入しやすくなり、勃起が成立しやすくなる、といっています。
これは具体的に、どういうことなのでしょうか。いよいよ、カフェインとコーヒーのスーパーパワーに迫ります。
今なぜコーヒーが健康食品として見直されているのか
コーヒーは嗜好品だが体にはよくない、という常識が覆ったのは、それほど昔のことではありません。日本では2015年ごろから医療や栄養の専門家たちがコーヒーに関する新しい説を次々打ち出して、令和の現在は「コーヒーを飲んで健康になろう」という機運が高まっています。
東京薬科大学名誉教授は「コーヒーは薬だ」と言っている
東京薬科大学の岡希太郎・名誉教授は、「コーヒーは薬だ」とまで言っています(*2)。悪者の汚名が返上されたどころか、健康ヒーローになってしまいました。
日本でのコーヒー健康説のはしりになったのが、2015年に東京大学と国立がん研究センターが発表した次の研究結果です。
●コーヒーを1日3、4杯飲むと、心臓病で死亡するリスクが4割減る
この見解は、ロペス氏たちの研究結果と似ている印象があります。
岡氏もこの見解に賛同しています。岡氏は、コーヒーに含まれるカフェインとポリフェノールが健康成分であるとみています。
*2:日経Gooday|「からだに悪いコーヒー」が「飲むべきくすり」に!
炎症予防のカフェイン、抗酸化のポリフェノール、そして両方とも脂肪を燃やす
カフェインには炎症を予防する作用があり、ポリフェノールには抗酸化作用があります。
体に大きな衝撃を受けたり傷を負ったりすると、皮膚が赤くなったり熱を持ったりしますが、これが炎症反応です。そして炎症は、体の表面だけでなく、体内でも起きています。カフェインは体内の炎症を抑える効果が期待できます。
抗酸化作用とは、体内の酸化を抑制する働きです。酸化とは錆びることであり、老化の原因と考えられています。ポリフェノールは、体の錆びを食い止める効果が期待できます。
さらにカフェインとポリフェノールには、脂肪を燃焼する効果があり、そしてこの2つの成分を同時に摂ると相乗効果が生まれ、さらに効率よく脂肪を燃やすことができます。
コーヒーの健康効果とは
岡氏は、コーヒーが、肝がん、子宮体がん、糖尿病のリスクを抑える健康効果が期待できると指摘します。
別の研究者もコーヒーと健康について調べています。
国立健康・栄養研究所の古野純典所長は、コーヒーを飲む習慣と血糖値の関係について調べました。その結果、16週間にわたってコーヒーを毎日5杯飲んだグループは、血糖値が平均で10%弱低下しました。つまり糖尿病リスクが10%弱改善しました。
一方、16週間にわたってコーヒーを1杯も飲まなかったグループは、血糖値が平均で10%弱上昇しました。糖尿病リスクが10%弱高まったと考えることができます。
吉野氏が注目したのは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸です。クロロゲン酸は、血糖値を下げるインスリンを分泌する膵β細胞を守る働きがあります。クロロゲン酸はさらに、腸内で糖が吸収されるのを抑制する働きもあります。
膵β細胞が守られてインスリンの分泌が正常になれば、血糖を下げることができます。腸で糖が吸収されなければ、これも血糖値を下げることにつながります。
コーヒーにクロロゲン酸が含まれ、コーヒーを多く飲む人の血糖値が改善するのは、理にかなっています。
「だからコーヒーはEDを改善する」といえる
岡氏も吉野氏も、コーヒーはEDを改善させる、とは言っていません。しかし、2人の見解から推測すると「だからコーヒーはEDを改善する」といえそうです。
岡氏は、コーヒーのクロロゲン酸が、人の体内でフェルラ酸に変わることに着目しています。フェルラ酸が血液内に入ると、血小板が固まるのを防ぎます。つまり、血液がサラサラになるわけです。
勃起は、大量の血液がペニス内の海綿体に流入することで成立するので、サラサラ血液は勃起に有利であるといえます。
コーヒーはフェルラ酸をつくり出すことで「ドロドロ血液→勃起しにくくなる」というEDルートをシャットアウトする、と考えることができます。
また、吉野氏は、コーヒーを飲む習慣が糖尿病予防につながると指摘しています。日本泌尿器科学会などが作成した「ED診療ガイドライン」によると、糖尿病患者さんの35~90%はEDを発症する可能性があります。
つまりコーヒーは「糖尿病→ED」というルートをシャットアウトすることで、男性たちをEDから守ってくれる、と考えることができます。
カフェインはコーヒー以外からも摂ることができる
カフェインは、コーヒー以外の飲み物にも含まれています。
福岡県薬剤師会の資料によると、それぞれの100mlの液体のなかに含まれるカフェインの量は次のとおりです。
コーヒー 60mg
玉露 160 mg
煎茶 20 mg
番茶 10 mg
ほうじ茶 20 mg
玄米茶 10 mg
ウーロン茶 20 mg
紅茶 30 mg
コーラ 20 mg以下
麦茶 0 mg
玉露のカフェイン濃度は160mg/100mlと、最も高いことがわかります。しかし玉露は高価ですし、飲む機会もあまりありません。玉露を除くと、コーヒーのカフェインの「濃さ」(60mg/100ml)は圧倒的です。カフェインといえばコーヒーという認識は、間違ってなさそうです。
ただもちろん、コーヒーの淹れ方によって、カフェインの濃度は変わってきます。
飲む機会が多いウーロン茶のカフェイン濃度も20 mg/100mlと、「そこそこ入っている」印象があります。
麦茶はカフェインが入っていません。カフェインには興奮作用があるので、カフェインを摂りたくないときもあるでしょう。そのときは麦茶がよさそうです。
カフェインはその他にも、エナジードリンクやミントガム、カカオの含有量が多いチョコレートにも含まれていることがあります。
まとめ~ただしマイルドな効果
カフェインやコーヒーが、勃起によい効果をもたらし、EDの発症リスクを低下させる可能性があることがわかりました。
EDが気になる人や、EDを発症してしまった人は、意識してコーヒーを飲むようにするとよいかもしれません。
ただ、コーヒーをがぶ飲みすればEDが治ったり、すぐに勃起したりするわけではないので注意してください。
コーヒーはED治療薬でありませんし、カフェインは勃起成分ではありません。
コーヒーと勃起の関係は「コーヒー→健康→勃起」というふうに、間に健康がはさまっています。そのため、コーヒーの勃起効果やED予防効果は「とてもマイルドに出てくる」と覚えておいてください。
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